「20歳以前の除菌は有益」 ピロリ菌専門医が提唱する根拠
それでも内山医師が中学生のピロリ菌検査や除菌治療にこだわるのは「若年性胃がんの原因の多くはピロリ菌」と読み取れる結果があるからだ。
「胃がんには分化型と、スキルス胃がんといわれる未分化型があります。未分化型は進行が速く悪性度が高い。そして若年性胃がんでは未分化型が多い。国内での研究で、未分化型、分化型ともに9割の人にピロリ菌感染が見られました」
■親が感染しているなら子供も
成人では、ピロリ菌が胃がんの原因で除菌が胃がん予防に有効というエビデンスが出ている。しかし若年性では、胃がん患者の数が少ないこともあり除菌が有効とのエビデンスは出ていない。
「しかし40歳以上と同様に高率でピロリ菌感染者がいることを考えると、40歳未満の若年性もピロリ菌と胃がんを切り離しては考えられません」
かつ、40歳以上では胃がん検診を受ける機会があるが、40歳未満ではそういった機会が乏しく、「症状があるので病院に行ったら進行がんだった」となりかねない。さらに、若年性はスキルス胃がんが多いので、見つかった時点で手遅れということもある。