「20歳以前の除菌は有益」 ピロリ菌専門医が提唱する根拠
「早期に除菌治療を受ければ若年性胃がんのリスクが下がるというエビデンスはまだない。しかし、大きなリスク要因となるピロリ菌を、胃がんのリスクがある20歳より前に除菌しておくことは、さまざまな状況から鑑みて、かなり有益だと考えています」
内山医師はすべての中学生にピロリ菌検査を勧めているのではない。提案するのは、「親がピロリ菌に感染しているなら、子供も検査を」。
昔は公衆衛生の悪さからピロリ菌感染が起こったが、現在の若年者のピロリ菌感染はほぼ、乳幼児期に親から子供へ口移しで食べさせたこと。
「親がピロリ菌に感染していたら子供もその可能性があります」
もちろん、祖父母に育てられた経験がある場合は、祖父母のピロリ菌感染も要チェックだ。
もしピロリ菌感染がわかったら、ピロリ菌除菌治療は副作用もあるので、それを理解した上で検討だ。未成年にピロリ菌検査だけを行うことは保険適用外。内山医師のところでは、検査を2000円、除菌治療を1万5000円で行う。
なお、厚木市で341人中の3%が除菌治療を受けたところ、副作用(薬疹)が出たのは1人だった。