男性不妊で注目される「精巣静脈瘤」とは なぜ起こるのか
近年、男性不妊の原因として精索静脈瘤が注目されているのは、晩婚の影響が大きいという。
「最近増えている2人目不妊の男性では80%が精索静脈瘤をもっているとされています。当然ながら、加齢によって精子の質や数は低下しますが、精索静脈瘤があると精子の状態が普通より早く悪くなるのでしょう。30歳までに子作りを終えていた時代には目立たなかったのでしょうが、晩婚化とともに加齢に伴う精索静脈瘤の精子への悪影響が表れてきているのだと考えています」
精液検査での異常には「精子無力症」「無精子症」「乏精子症」「乏精液症」「奇形精子症」などがあり、患者の半数が複数の異常を合併している。精液検査で異常があれば、まずは精索静脈瘤を疑った方がいい。静脈瘤の診断は診察だけでなく、エコー(超音波)検査を必ずやってもらうこと。日帰り手術で治療をすれば、70%で精子の数や運動率が術前より改善するという。
加齢による精子の老化からは逃げられない。病気や他の要因がなくても、自然流産への影響は男性の40歳以上は、女性の30歳以上に相当するという報告がある。男性も晩婚は不妊リスクを高めることを承知しておこう。