最先端の検査機器と19人の専門医で輸入感染症に立ち向かう
■通訳を介した診療は13カ国に対応
感染症病床はすべて個室で、病原体が外に漏れないように陰圧の空調になっていたり、排泄物を煮沸消毒できたり、観察用カメラが設置され、集中治療の機器が十分入るように広いスペースが取られているという。
警戒する輸入感染症では、昔から日本でも見られた「はしか」「風疹」「結核」なども含まれるが、特に目を光らせているのは「エボラ出血熱」「MERS(中東呼吸器症候群)」「鳥インフルエンザ」など。市中の病院ではほとんど診察を経験したことのない感染症だ。
「当センターには最先端の多項目遺伝子測定機器が数種類あり、国立感染症研究所とも密に連携しているので、どんな感染症も診断できる体制を整えています。それに全国の医療機関からの感染症に関する相談も週2~3件はあります。必要であればネットワークを使って近隣の専門医を紹介することもしています」
とりわけ外国人受診者の多い同院は、日本語を話せない患者を対象とした「国際診療部」を3年前に設置。通訳を介した診療は「英語」「中国語」「韓国語」「ベトナム語」、電話通訳を介した診療を含めると13カ国語に対応しているという。