富士山でも続出 高山病になる「4つの共通点」を医師が解説
「前日に病院を出たのが夜10時。そのまま車で登り口まで行き、数時間の仮眠後一気に登り、昼には診療所に着いていた。夕方くらいから調子が悪く食欲がなくなり、早めに横になったのですが、起きるとひどい頭痛。血液中の酸素濃度を測るとかなり低く、明らかな高山病でした。私は典型的な例で、高山病の症状が出た登山者に聞くと、みなさん、前日の睡眠量が少ない」
適切な睡眠量は人によって異なる。爽快に目覚められるほどの睡眠量を確保すべきだ。
(2)一気に登る
「私の高山病の2つ目の原因でもあります。一気に登ると、体が低酸素の状態に慣れず、高山病を起こしやすくなる。槍ケ岳を登る人の中にはヒマラヤ経験者もいますが、彼らが“槍ケ岳くらい”と速いスピードで登り、高山病を起こすケースも珍しくありません」
登山ルートには、標準タイムが書かれているので、それを目安にするといい。また、齋藤医師は最近、一眼レフで高山植物を撮影しながら登るため、結果的にスピードはゆっくり。
「富士山で高山病になる人が多いのも、5合目から一気に登るから。2000メートル地点、または5合目で泊まり、翌朝頂上を目指せば高山病は起こさないでしょう。ベテラン登山者であっても、とにかくゆっくり登ることを意識すべきです」