非侵襲的検査の進歩が心臓治療の新しいエビデンスをつくる
ところが、ここ10年くらいの間に検査機器が急速に進化を遂げ、侵襲的検査に取って代わる非侵襲的検査が続々と登場しました。コンピューターの発達に伴い、CTやMRIといった画像診断が画像の再合成によって断層的に3D化できるようになり、かつてはとても実現できないだろうと思われていたような立体的な“空間”として認識できるようになったのです。超音波(エコー)検査も同様です。それまで、「超音波は検査を行う技師によって得られる情報に差がある」といわれていました。上手な人と下手な人では結果に違いが出てしまう可能性があるということです。それが、検査機器の進化によって誰が検査しても正確な結果が出せるようになりました。
アイソトープ検査も進歩しています。微量な放射線を出す放射性物質を患者に投与し、その物質が体内の臓器や組織に集積する様子をカメラで画像化する検査です。かつては、漠然とその臓器や組織が活動しているかどうかくらいしかわからなかったものが、いまは臓器や組織の大きさや形に加え、どのように機能しているかもわかります。放射性物質の取り込み方の分析が進化し、これまで白と黒の2色だったものが3色になり、さらに時間的な動きを持たせて見ることができるようになったのです。