原因はさまざま めまいをチェックする眼振検査の中身
そのトラブルの原因として多いのが循環障害です。立ち上がった時にふらっとする起立性調節障害や貧血は、三角地帯への血流減少による酸素不足のため。眼振検査のほか、血圧測定や血液・尿検査などを行って調べます。
内耳は、バランスを取る三半規管と耳石のほか、聴覚をつかさどる蝸牛の3つに分類。三半規管や耳石に異常があると、めまいが生じます。その代表が良性発作性頭位性めまいで、耳石の移動によって発症。靴の紐を結ぼうと下を向いた時、棚のモノを取ろうとして顔を上げた時、寝返りを打った時などに突然、回転性のめまいに襲われて不安になることがあるでしょう。
突然片方の耳が聞こえにくくなる突発性難聴は蝸牛のダメージが原因ですが、三半規管などへの障害も往々にしてあるため、めまいを合併しやすい。メニエール病も、内耳の水膨れによるめまいと難聴を伴うことがよくあります。
このような病態がベースにあるため、眼振検査のほか聴力検査が欠かせません。さらに突発性難聴は、内耳の障害や脳の異常と区別するため、脳のCT検査をプラスすることもまれではありません。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)