専門医なのに自分のこととなるとおたおたするだけだった
3つの机にそれぞれイスが4脚。壁に向いたカウンターにもイスが置いてありました。机の上には下剤1・8リットルのパックとコップが人数分置いてあり、説明を受けた後に9時ごろから1時間以上かけて全部飲むように指示されました。この下剤を飲んで便をすっかり出し切らないと検査ができません。
壁の時計を見ながら、1回200ミリリットルくらいを約10分おきに飲みました。少し甘いのですが、好きにはなれない味です。ひとつの机に4人が向きあって、パックの残りの印を見ながら下剤を飲み続けます。1時間以上、誰ひとり全く会話もない、ため息だけの異様な時間でした。
やっとすべて飲み終えると、急にトイレに行きたくなりました。男性用トイレは並んで4カ所あり、交代で駆け込みます。便のつぶつぶがなくなって水様になったら、看護師さんを呼ぶことになっています。結局、トイレには6回通いました。
■「がんはない」と言われた瞬間、体から力が抜けた
次は、検査中に何かあった時のために腕から点滴ルートを確保します。幸い一度針を刺しただけで成功しました。