宣告され頭が真っ白に…戸叶尚さん「精巣がん」を振り返る
治療は「手術をしなければいけない」と言われ、告知から10日後ぐらいに右のそけい部を切って、がんを発症している右の精巣を切り取る高位精巣摘除術を受けました。もともと病院にはほとんど縁がなかったので、入院も手術も初めて。
どんな感じだろうという好奇心もあったんですけど、すぐにイヤになりました。
早寝早起きの生活も馴染めなかったし、下半身麻酔だったので手術の様子が分かるんですよ。電気メスの焦げるにおいがして……。1時間ぐらいの手術だったんですけど、手術後はしんどいし、腰は痛いし、動けない。次の日にようやく起き上がれるようになり、歩けるようになったのは3日目ぐらいだったかな。
何より、摘出した精巣の病理検査をしてがんの種類や進行具合、転移の結果が分かるまでの1週間が怖くて仕方がありませんでした。睡眠剤を処方してもらっても、「眠ったら、そのまま起きられなくなるんじゃないか」って悪い方向に考えて眠れず、明け方になるまで、持ち込んだPCで好きな車の動画を見て気を紛らわせていました。
幸い結果はステージⅠで、放射線治療の効果が出やすいセミノーマ(精上皮腫)という種類でした。転移はなく、放射線治療は受けませんでしたけどね。