歩行の定義から逸脱「大股歩きは体にいい」は間違いだった

公開日: 更新日:

 江戸時代の人はどんなに遠くても徒歩でお伊勢参りをするほど健脚だった。着物だと大股で歩くと裾がはだけてしまうため、当然小股で歩いていたと田中氏は説明する。

 大股で歩くと、足が前に出過ぎて、膝が曲がってしまうため、「大腿四頭筋」という筋肉に負担がかかる。その反動で、足と太ももは後ろにいかなくなり、本来使用しなければならない「大臀筋」という筋肉を、使わなくなってしまうのだという。

「そもそも、人間の歩行とは、ある目的を達成するために体の中心、いわゆる重心を目的物に近づける行為のことです。それなのに、足や腕を無駄に大きく振り出すと、重心は後方に下がってしまう。これでは、歩行の定義から逸脱してしまうのです」

 田中氏によると、ここ30年、つまり平成の間に、大臀筋が萎縮してジーパンの平均的なヒップサイズが小さくなり、ふくらはぎの腓腹筋が肥大化してブーツが太くなった。そして、一番大きな変化は、歩くだけで疲れてしまう人が急増したことだという。平成の30年間は、歩く力が失われていった30年だったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで