著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病でがんのリスクが増大…進行を抑える治療薬も登場

公開日: 更新日:

■危険因子が共通するものも

 がんの種類別では、男性では胃がん大腸がん肝臓がん、膵臓がん、腎臓がんのリスク上昇と糖尿病が関係しており、女性では胃がん、肝臓がんのリスク上昇と関連していました。子宮内膜がんと卵巣がんは、統計学的には有意ではなかったものの、リスク上昇と関連している傾向がありました。

 もちろん、留意点もあります。それは、「糖尿病とがんの危険因子には共通するものがある」「糖尿病患者は検査を受ける機会が多いため、がんの発見率が上昇している可能性もある」「膵臓がんのように、がん発症によって糖尿病を発症しているものもある」など。

 しかし、糖尿病を抱えている方は、予備群も含めて、がんと関連があることを意識しておくべきでしょう。

 では、なぜ糖尿病はがんのリスクを上げるのでしょうか? いくつかの理由が想定されています。

 たとえば、肥満になることで、血管内の傷を修復したり血管を拡張する働きがある「アディポネクチン」の分泌量が落ち、インスリンが正常に働かなくなる。すると、血液中のインスリンが通常よりも多い状態になり、それはやがて多くのがん細胞の増殖に対して重要な役割を果たすインスリン様増殖因子―1の活性を上げる……。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  3. 3

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  5. 5

    加賀まりこ「鈴さん」人気沸騰中!小泉今日子と《そっくり》の母親役でフジ月9“夢の共演”を待望する声

  1. 6

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 7

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  3. 8

    永野芽郁「文春砲第2弾」で窮地…生き残る道は“悪女への路線変更”か?

  4. 9

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  5. 10

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった