あなたらしく生きる…余命3カ月を告げられて気づいた思い
Aさん「好きなところと言われても……。私は小さい頃から、風邪をひいても急性腸炎になった時もこの病院にお世話になってきました。ですから、ずっとこの病院で、と思ってきました。家も近いですし、ここに通うのはいけませんか?」
B医師「腫瘍内科では、少ない医師でたくさんのがん患者さんの治療をしなければなりません。了解して下さい。では、宛先は書かずに、経過を記した診療情報提供書をつくっておきます。次回までに好きなところを決めてきて下さい。これからは、あなたらしく生きることを基本に考えて下さい」
Aさんは、ここが近所の病院なのにもっと遠くの病院に行かねばならないのか? そしてあなたらしく生きるとは……どういうことか? などと考えながら自宅に帰りました。
夜になって、妻と社会人の娘に病院でのやりとりを話しました。
◇ ◇ ◇
娘「お父さん、それは医者の言い逃れよ。もう治療法がないから厄介払いなのよ」
Aさん「まだ体力はあるし、あと3カ月しかないなんて思えない。がんと闘うことしか考えてこなかった」