がんを根絶できなくても「治療法がある」という事実は大切
「何か方法はないものかね?」
Nさんが娘さんに尋ねると、インターネットで調べた娘さんからこんな提案がありました。
「お母さん、子宮がんにはどうか分からないけど、A病院に腫瘍内科というのがあって、そこでは新しい薬の治療ができるかもしれない。予約してみる。何か新しい方法があるかもしれないし、行ってみよう。B病院の婦人科で診療情報提供書を書いてもらうよ」
■希望や元気が出てくる
Nさんと娘さんは2週間後に、予約が取れたA病院まで電車とバスを乗り継いで足を運びました。診察した腫瘍内科医は診療情報提供書に目を通し、下肢のむくみを診てから言いました。
「残念ですが、ここではあなたの治療法はありません。これまで手術や抗がん剤の治療をしてきた婦人科で診てもらってください。私は婦人科医ではないので、出血も止められません」
ある程度は予想していた返事ではあったのですが、Nさんはがっかりして帰ることになりました。