直腸がんロボット手術で排尿障害や人工肛門は避けられるか
■体への負担は腹腔鏡とほぼ同等だが
ロボットも腹部の数個の穴から鉗子を入れ、画像を見ながら治療を行う点では腹腔鏡と同じ。しかし、腹腔鏡の鉗子が直線的な動きしかできないのに対し、ダヴィンチ専用の鉗子には関節があり、人間の手では不可能な角度の動きができる。腹腔鏡の欠点を補い、深く狭い骨盤の中でも正確・精密な手術ができる特長がある。
「がんを確実に取り除き、かつ自律神経を傷つけず排尿障害や性機能低下のリスクが下がる。だから駒込病院では、17年にロボット手術を導入してからは、9割以上をロボットで行っています。ただし、すべての手術にロボットを用いるわけではありません」
腹腔鏡もロボットも、あおむけで頭を25度ほど下げた特殊な体位で手術を行う。心肺機能が悪かったり緑内障で眼圧が高かったりすると、この体位が不可になり、開腹手術の適応となる。また、腹腔内に巨大な動脈瘤やほかの障害物がある時は、腹腔鏡の方が向いているケースがある。
気になるのは、ロボットなら人工肛門を免れられるのか?