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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

子宮頸がんと中咽頭がんに共通 "口腔奉仕"で若者に急増中

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 放射線でも一時的に粘膜の炎症で痛みを生じることはありますが、あくまでも一時的。そもそも子宮もリンパ節も残るので、機能は保たれ、術後の合併症のリスクも少なくて済みます。

 国際的なガイドラインでは、ステージⅡBでは放射線治療のみですが、日本は手術と放射線が併記されています。日本は手術偏重で、同等の治療効果が得られる放射線のメリットを説明されずに患者さんは手術を受け、家族の形に影を落としている可能性もありうるのです。

■進む患者の低年齢化

 夫婦関係に溝を生みかねない子宮頚がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。HPVは、セックスで感染しますから、子宮頚がんだけでなく、男女どちらにも病気を起こす恐れがあるのです。

 女性は子宮頚がんのほか、外陰がん、膣がんのリスクもあります。男性が感染すると、どんな病気になるのかというと、尖圭コンジローマ、陰茎がん、肛門がんです。

 中でも見逃せないのが中咽頭がんで、その7割はHPV感染が原因といわれます。咽頭がんのリスクとしては飲酒と喫煙がありますが、これらを原因とする咽頭がんは減少傾向で、HPVによる中咽頭がんが若者を中心に増えているのです。なぜかというと、セックスの低年齢化とオーラルセックスの定着です。子宮頚がんの発症ピークが30代ということからも、セックスの影響がうかがえます。

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