肝臓<下>下戸の肝臓病NAFLDには成人の2割が罹患する
脂肪肝では「体がだるい」「疲れやすい」などの症状が表れるが、多くの人は気づきにくい。
NAFLDの疑いをみるサインのひとつに、健康診断(血液検査)の数値がある。
肝細胞が壊れているかどうかは、アミノ酸を代謝する酵素の「ALT(GPT)」と「AST(GOT)」の項目に示される。アルコール性脂肪肝ではALTよりASTが高くなるが、NAFLDが疑われる場合には「ASTよりALTが高い」が目安になる。
ただし、NAFLDの人の中にはALTもASTも正常値を示すケースもある。また、飲酒習慣がなく、メタボにも該当しないやせ型の人の脂肪肝、いわゆる“隠れ脂肪肝”もあるので注意が必要だ。そんな人の中から重症型のNASHを拾い上げる方法として「Fib―4インデックス(肝線維化スクリーニング)」という指標がある。
「Fib―4インデックスは『年齢』『ALT』『AST』『血小板数』の数値から計算して、肝線維化の進行を評価する指標です。ALTやASTが正常値でも、血小板数が18(万/マイクロリットル)以下だと肝障害が進行している可能性があります。日本肝臓学会のホームページなどでは、4項目の数値を入力すれば自動で算出して評価してくれるサイトがあります。心配な人は健診の最新データで確認してみるといいでしょう」