予防には徹底した手洗い アルコール消毒だけは効果限定的
幸い、新型コロナは消毒用のエタノールが効果を発揮するタイプのウイルスだが、アルコール手指消毒剤による消毒を行うには、砂やホコリ、油汚れなど目に見える汚れを洗い流しておかなければ最大限の除菌効果を得ることはできない。手を洗わずにアルコール消毒だけで済まそうとしても効果は限定的ということだ。
「医師が診察の合間にアルコール消毒だけで済ませるのを見て、自分もそれで十分と考える人がいますが間違いです。私たちは診察室に入る前にはきちんと石鹸で手洗いしてウイルスの数を減らしたうえで、残ったウイルスをエタノール消毒しているのです」
具体的には、石鹸と流水洗いで汚れを取り、乾いたタオルでよく水気をふき取ったあとに、手指全体にエタノール手指消毒剤をムラなくいきわたらせて、まんべんなくすり込むようにする。
「もちろん、手のひらだけでなく手の甲や指の間にもまんべんなくすり込むことが必要です」
いまは消毒用のエタノールが品薄になりちょっとした騒ぎになっているが、それを嘆く必要はないということだ。