トレーニングで克服 谷隼人さん語る椎間板ヘルニアとの闘い
■PNF療法で克服
「それがいい。それ、やりたいです」と返事をしたら、「じゃ、市川先生のところでトレーニングしてみたら?」と言われ、紹介されたのが市川繁之先生という理学療法士で日本のPNF療法の第一人者でした。
PNFは、神経を刺激することで筋肉や筋の働きを高めて身体機能を向上させるリハビリ技術です。今では多くのトップアスリートが体のメンテナンスのために利用していると聞いています。その療法を踏まえて、ヘルニアが神経に触れないように周辺を筋肉の鎧で固めてしまおうと提案されました。
マンツーマンで30分、みっちり先生に負荷をかけられながらのトレーニングです。先生いわく「腹筋と背筋のバランスが大事」とのことで、主に体幹トレーニングでした。実は、初めはあまり期待しておらず、「多少でも症状が和らぐなら、やってみよう」ぐらいの気持ちでした。
その意識がガラッと変わったのは3回目でした。その日は先生がとある病院でリハビリ指導する日で、私もそこへ行ったんです。そこでは、手足がなかなか動かない患者さんが懸命にリハビリをしていました。それを目の当たりにして、「この人たちはこんなに頑張っているのにオレは何だ! ギャーギャー言ってないで真剣にやろう!」と気持ちが固まったのです。そこから3年間は週に2~3回通いました。通い始めて半年ほどでゴルフクラブがなんとか振れるようになって、1年後にはラウンドできるようになり、3年も経つと「ヘルニアがあったの?」と驚かれるくらいすっかり克服できました。