男性にも「前立腺小室」と呼ばれる子宮があるのはなぜ?
また、男性ホルモンの働きによってウォルフ管が発達することで、精管や精嚢ができます。この内性器の分化で、ミューラー管の一部がごくわずか残ったものが男性子宮なのです。
男性子宮があっても、通常は病気の原因になることはありません。
しかし、胎児の頃の内性器分化の際に、AMHや男性ホルモンの働きが何らかの原因で障害されると、ミューラー管の退縮が不十分となり、子宮や卵管といった女性の内性器が男性の幼児に伴う場合があります。
このような場合でも女性の内性器が小さく、無症状であれば問題はありません。しかし、女性の内性器が大きく、尿路感染、結石形成、排尿障害、尿失禁などの原因となるようなら治療が必要です。治療は、開腹手術や腹腔鏡手術で女性の内性器を摘出します。
また、男性のペニスの形態異常(奇形)のひとつに「尿道下裂」があります。尿道が尿道口から裏筋に沿って裂けている状態です。程度は人によってさまざまですが、男性子宮は尿道下裂の11~14%に合併し、高度な尿道下裂の場合には50%以上に合併するとされています。