著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病患者の新型コロナ 感染のしやすさと重症化のしやすさ

公開日: 更新日:

 数字で見てみましょう。中国のコロナ患者2108人における糖尿病患者の割合は10・3%。一方、2013年の同国の糖尿病有病率は10・9%と、ほとんど差はありません。

 また、米国のコロナ患者7162人における糖尿病患者の割合は10・9%で、18年の同国の糖尿病有病率は10・5%。やはり、ほとんど差がなかったのです。

 しかし、糖尿病の人はほかの感染症と同様に、コロナに感染すると入院や重症化のリスクが高くなるといえます。米国のコロナ患者7162人中、糖尿病患者で入院なしは6%、一般病棟への入院は24%、ICUで呼吸管理が必要になった人は32%。イタリア、中国からの報告でも、コロナ感染者の糖尿病患者は、入院、ICUでの治療が必要な人の割合が高くなる傾向にありました。

 では、同じ糖尿病でも血糖コントロールが良好な群と不良の群ではどうか? 

 中国のコロナ患者7337人における死亡リスクでは、7・8%が糖尿病ありで、2・7%が糖尿病なし。さらに血糖コントロールで見ると、良好の群(平均HbA1c7・3%)は死亡リスク1・1%で、不良の群(同8・1%)は11・1%。糖尿病があっても血糖コントロールが良好な群は、糖尿病なしと死亡リスクは同等で、不良の群は死亡リスクが高くなっていたのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」