定年を越えて働きたいなら40代から「補聴器」を勉強すべき
加齢性難聴の原因は耳の奥にある、蝸牛と呼ばれる中枢器官にある有毛細胞が障害されることで起きる。
「音は外耳から入って内耳にある蝸牛のリンパ液が振動して有毛細胞が刺激を受け、音を電気信号に変えて脳に伝達します。しかし、有毛細胞は20歳くらいから少しずつ減少する。とくに外耳に近い、高音域をキャッチする有毛細胞から減少していくために、高い周波数の音域から聞こえづらくなるのです」
残念なことに有毛細胞はいったん壊れると二度と再生しない。そのため、加齢性難聴になると、一般的には音を増幅する補聴器で補うしかなくなる。
「かつての日本では現役世代では補聴器の話題はほとんどなされませんでした。定年前の50代になると、『窓際族』に代表されるように、職場で重要な仕事を任されなくなったことと、加齢性難聴を自覚する人が少なかったからです。しかし、これからはそうはいきません。若い人と同じように働かないと雇用は守れません。その能力を維持するには老眼対策とともに加齢性難聴対策も必要になるのです」