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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

佐藤弥生が乳房全摘した非浸潤性乳がん 若ければ経過観察も

公開日: 更新日:

 実はDCISは、がんが広がっている範囲が特定できません。部分切除で済むには、がんの場所を特定できることが不可欠ですが、特定できないがんを部分切除すると取り残しのリスクが高い。取り残しが浸潤がんになることもあるため、ステージ0でも全摘が一般的なのです。

 乳がんは古くはしこりなどの自覚症状で見つかることが多かったのですが、マンモグラフィーやエコーなどの検査精度の向上や実施数の増加で自覚症状のない早期で見つかるケースが増えています。そんなタイプにDCISが含まれていて、この10年で5倍に増加。検診で発見される乳がんのうち、2割がDCISです。

 これらの検査で拾っているのは、微小な石灰化の病変。石灰化がすべてがんになるわけではありません。石灰化が見つかると、生検して細胞の悪性度を調べることが重要です。

 女性にとって、乳房の全摘は重い意味を持ちます。佐藤さんは43歳で、2人のお子さんを出産されていますが、出産する前の若い方がDCISと診断されたらどう思われるでしょうか。

 乳がん以外の原因で亡くなった女性を解剖したところ、その16%に非浸潤性乳がんが見つかったという報告があります。これが意味することは、非浸潤性乳がんは放置しても命を左右することなく大丈夫なケースがあるということです。

 その点を踏まえると、若い女性の場合は、DCISと診断されてもすぐに切除しなくてもいいかもしれません。画像検査で石灰化の塊がなければ、定期的な検査で経過を観察しながら、手術のタイミングをうかがうということも一考の余地があると思います。

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