点眼薬は1日5~6回まで 使いすぎで目の不調が負の連鎖に
この調査を監修した杏林大学医学部眼科学教授の山田昌和医師が言う。
「目の不調を感じるたびに点眼薬をさす人が多く、1日20回以上という人もいました。しかし、点眼薬はさせばさすほどよいわけではありません。点眼薬1滴で涙の5倍ほどの量があり、それを1日に何度も使うと涙が洗い流されてしまううえ、涙の乾燥を防ぐ涙の油の層も破壊されて涙の質が悪くなるのです」
大半の点眼薬には防腐剤が含まれているということも念頭に置いておくべき。防腐剤は点眼薬の品質保持のために必要な成分で、角膜の傷がひどくない人では問題ない。
しかし角膜の傷がひどい人、規定の回数を超えて何度もさす人の場合、症状を悪化させてしまう恐れがある。
「私がお勧めしているのは、朝起きてすぐ、昼食後、15時、夕食後に各1滴ずつ。それ以外にリフレッシュさせるために1~2滴というように考えれば、適正回数内に収まります。症状がひどい人は防腐剤無添加の点眼薬を選び、それでも改善しなければ早めに眼科を受診すべき」(山田昌和医師)
目がひんやりする点眼薬や充血対策の点眼薬は、角膜への刺激が強め。日常使いするのではなく、「今日は疲れているから」「スッキリしたいから」といった時だけ使う方がいい。
目の不調は仕事や日常生活に支障を来す。正しい対策を講じたい。