年間2000人が被害に…「マムシ咬傷」での致死率は0.8%
「噛まれるのは手(指や手の甲など)と足(足首より下)に集中しており、体幹が噛まれることはめったにありません。畑や里山での農作業中に噛まれるケースが多いのですが、マムシを捕ろうとして返り討ちに遭う人もいます。マムシはいまでも精力剤や漢方薬の原料として売れますし、自家製のマムシ酒をつくる人もいます」
ちなみにマムシには、赤褐色のいわゆる赤マムシと、黒褐色の黒マムシがいるが、種としてはまったく同じだ。噛まれた直後はあまり痛みを感じない場合が多いようで、「何かに噛まれたようだ」という人もいるほど。しかし30分から1時間後には、創の周辺が腫れあがり(腫脹)、激しい痛みが襲ってくる。
■横紋筋融解症や急性腎不全を発症するケースも
「マムシ咬傷では、とくに腫脹の程度から重症度を5段階に分類しています。最も軽いグレードⅠは、噛まれた周辺が赤く腫れる程度です。救急搬送されてくる患者の多くはこの段階です。しかしグレードにかかわらず、原則として全員がそのまま入院となります。というのも、搬送時は比較的軽症でも、時間を追うごとに重症化することが多いからです」