米国の主要死因ランキングで新型コロナ感染症が第3位に
連日のようにメディアで報道される新型コロナウイルスの感染者数や重症者数、そして死亡者数ですが、この感染症の流行によって集団レベルでの死亡要因にどれほどの影響があったのでしょうか。米国における死因別死亡者数を取りまとめた論文が、米国医師会誌の電子版に3月31日付で掲載されました。
この研究では、米国衛生統計センター(NCHS)の人口動態統計システム(NVSS)を用いて、死因別死亡者数の変化を調査しています。その結果、調査時点で入手できる情報に基づく暫定的な推計では、米国における死亡者数は2019年と比較して2020年で17・7%増加していました。2020年における主要死因ランキングでは1位の心臓病、2位の悪性腫瘍に次いで、新型コロナウイルス感染症が3位となっています(ちなみに2019年は不慮の事故が3位)。
さらに心臓病による死亡者数は4・8%増加し、2012年以降で最大の増加となっていました。また、アルツハイマー型認知症や糖尿病による死亡者数も大きく増加していました。論文著者らは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療の逼迫で、これら病気の診断や適切な治療の遅れが死亡者数増加を招いた可能性を指摘しています。