著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

精液に問題がある人はなぜ短命なのか? 健康のバロメーター

公開日: 更新日:

 そして造精機能障害は、男性不妊症の問題だけではなく、高血圧脂質異常症、心血管疾患、糖尿病といった生活習慣病がリスク因子と示唆されています。

■精液所見が不良の男性はがんの発病率が高い

 2013年の報告では、総運動精子数の低下と肥満度を表す体格指数であるBMI(body mass index)の関連性を示しており、BMI25以上の肥満で精液所見の悪化を認め、BMIが上昇するほど精液所見は右肩上がりに悪化を認めています。つまり、肥満になればなるほど精液所見は不良になるということです。しかも、肥満があると、血圧の上昇、高血糖、脂質異常が見られやすくなり、メタボリックシンドロームを引き起こします。

 さらに、精液所見が不良の男性はがんの発病率が高いことが報告されています。造精機能障害は何らかの遺伝子制御機構の異常で起きており、発がんにも関係しているためと言われています。特に精巣がん、大腸がん、悪性黒色腫、前立腺がんにおいて関連性が高いことが報告されています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  2. 2

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  4. 4

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは