著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

寝る前に音楽を聴くと睡眠の質が悪化する イヤーワームが発生

公開日: 更新日:

 寝る前に心地のよい音楽を聴くことは、寝つきを良くさせるイメージがあります。特に楽器だけで演奏されるインストゥルメンタルは、気持ちを穏やかにさせリラックス効果を高めてくれそうです。

 一方で、音楽を聴き終わった後でもフレーズの一部が頭から離れないといった経験をしたことがあるかもしれません。音楽が頭から離れないこのような現象を「イヤーワーム」(耳の中に住み着く細長い虫)と呼ぶそうですが、イヤーワームが寝つきを悪くさせてしまう可能性もあります。寝る前に聴く音楽とイヤーワームの関連性、そして睡眠への影響を検討した研究論文が、心理学の専門誌であるサイコロジカル・サイエンスの2021年7月号に掲載されました。

 この研究ではまず、199人(平均35・9歳)を対象にアンケート調査を行っています。その結果、音楽を頻繁に聴いている人では、夜間にイヤーワームを経験している人が多く、また睡眠の質の低下と関連していることが分かりました。次に50人(平均21・2歳)を対象に、寝る前に人気歌手によるボーカルありの音楽を聴くグループと、ボーカルなしのインストゥルメンタルを聴くグループにランダムに振り分け、イヤーワームや睡眠の質を比較しました。その結果、インストゥルメンタルを聴いたグループで夜間のイヤーワームが多く発生し、睡眠の質も低いという結果でした。

 この研究では、楽器だけで演奏されるインストゥルメンタルでも睡眠の質が悪化してしまう可能性が示されています。論文著者らは、いくつかの種類の楽曲が自発的な記憶の再活性化をもたらし、持続するイヤーワームを誘発することで睡眠を妨げる可能性があるのではないかと結論しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  4. 4

    薬物疑惑浮上の広末涼子は“過剰摂取”だったのか…危なっかしい言動と錯乱状態のトリガー

  5. 5

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  1. 6

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  3. 8

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 9

    松田聖子は雑誌記事数32年間1位…誰にも負けない話題性と、揺るがぬトップの理由

  5. 10

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ