シラミは入浴でも防げない…殺虫成分シャンプーやパウダーで駆除
それを媒介するのが「シンシン シラミ」…つまりシラミです。人間に寄生するシラミは、「ケジラミ」、「アタマジラミ」、「コロモジラミ」の3種です。アタマジラミとコロモジラミについては同種説も唱えられていますが、医学的、公衆衛生学的には、異なる種として扱われています。発疹チフスを媒介するのはコロモジラミだけです。
その名の通りコロモ、つまり衣服に寄生し、とりわけ下着の縫目などを好みます。そして腹が減ると人間の皮膚を刺して血を吸い、卵を産んで数を増やしていきます。終戦直後の日本、とくに都市部は空襲で徹底的に破壊され、衛生状態が極度に悪かったため、市民の大半がコロモジラミに寄生されていました。
その状況を救ったのが、進駐軍のDDTだったのです。老若男女が米兵から白い粉を思い切りふりかけられ、髪の毛や顔まで真っ白になっている映像が、いまでもときどきテレビなどで流れます。そこまで徹底的にやられたおかげで、コロモジラミは急速に減少し、50年代に入る頃にはほとんど見られなくなりました。また心配された発疹チフスの大流行も防げたので、DDTにお礼を言いたくなった気持ちも分かります。