永田宏
著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

人も刺すネコノミ 蚊に似た吸血システムで「猫好き」は痒くならない

公開日: 更新日:

 まだ20代の頃、住んでいたアパートの近所を歩いていると、野良猫が1匹近づいてきて、眼で「飼ってくれ」と訴えてきたのです。仕方なく部屋に上げて、エサを与えたりしていました。数カ月すると、足首やすねのあたりに赤い発疹が出て、痒いことこのうえない。しかしそれがノミのせいだと分かるまでに、だいぶ時間がかかりました。

 近年のペットブームのおかげで、ノミの被害が増えて続けています。ノミは昆虫の仲間です。「隠翅目(ノミ目)」といって、翅(はね)は退化してなくなっていますが、強いジャンプ力を持っており、動物に跳びついて寄生し吸血します。人の血を吸うノミは、主にヒトノミ、イヌノミ、ネコノミの3種類です。全長が1~4mm、色は茶褐色、縦に平べったく、見た目の違いはほとんどありません。名前の通り、ヒトノミは人間、イヌノミは犬、ネコノミは猫を主な宿主にしています。ただしこだわりは少なく、いずれも他の哺乳類にも寄生して血を吸います。

 ヒトノミの被害は、戦中から戦後にかけて非常に多かったといいます。当時は「ノミとり粉」という、除虫菊から作った粉末状の薬剤が広く使われていました。除虫菊といえば、蚊取り線香が思い浮かびます。花にピレスロイドと呼ばれる、昆虫の神経を麻痺させる殺虫成分が含まれています。蚊に限らず多くの昆虫に有効で、しかも哺乳類には無害です。いまでも殺虫剤の成分として、化学的に改良されたものが広く使われています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」