白内障治療の最前線 眼鏡がほぼ不要になる「眼内レンズ」が登場
「眼鏡ほぼ不要」が期待できるのは、多焦点レンズ。回折型、連続焦点型、焦点深度拡張型があり、回折型は長らく遠方と手元、あるいは遠方と中間に焦点が合う「2焦点」しかなかったが、現在は遠方、中間、手元に焦点が合う「3焦点」が発売されている。
「3焦点と連続焦点型(以下、2つ合わせて『3焦点型』)は、遠くから中間、手元まで全体を見ることができ、眼鏡なしで過ごせるようになる人が多い。一方、焦点深度拡張型は単焦点と同じぐらい遠くが見え、見える範囲が中間まで広がりますが、手元の見え方は、3焦点型より劣ります」
たとえば講演会で、3焦点型は舞台上のスクリーンの文字も、パソコンやノート、スマホも眼鏡なしで見える。焦点深度拡張型は、場合によってはノートやスマホを見るには眼鏡が必要。
では、3焦点型が万人にベストかというと、そうではない。
■コントラストや感度が落ちる
「明暗の対比を見分けるコントラスト感度が、3焦点型では10~15%くらい落ちるといわれています。焦点深度拡張型や単焦点レンズは、コントラスト感度が良好のまま保たれます」