肥満を防いで「見た目」が若くなれば健康寿命が延びる
これまでも何度かお話ししましたが、「見た目=外見」が年齢より若く見える高齢者は、健康的に人生を全うできるケースが多いと感じています。科学的にたしかな根拠があるわけではありませんが、これまで多くの患者さんと接してきた経験から、そんな印象を受けるのです。
前回、肥満は脂質異常症、高血圧、糖尿病のリスクを高め、心臓疾患を発症しやすくなるとお話ししました。こうした生活習慣病は、高齢になった時に寿命と健康寿命の「差」になって表れます。寝たきりや要介護状態といった生活に制限を受けずに実年齢と差がないまま天寿を全うするには、高齢になる前から肥満を招かないような生活習慣を心がけることが大切なのです。
肥満は、冒頭で触れた「見た目」にも大きく影響します。好きなものを好きな時に好きなだけ食べるといったように、自己の欲求を優先させてコンディションを犠牲にする生活を送っていると、70代くらいまでは何とか大きなトラブルはなく過ごせても、80歳近くなると若々しくシャキシャキとした振る舞いをするのは難しくなるといえます。
年を取るにしたがってヨボヨボしはじめ、いかにも「老人」といった見た目や行動になってくるのです。そうなると、心臓など体のあちこちに大きな問題が起こりやすくなります。