著者のコラム一覧
大橋直樹「東京外科クリニック」理事長

日本外科学会認定外科専門医、全日本病院協会認定臨床研修指導医。東京外科クリニックグループでの日帰り手術の件数は2022年4月末日時点で3101件。

腹腔鏡手術の登場と麻酔薬の進歩で盲腸・脱腸手術が入院不要に

公開日: 更新日:

 ただ、日帰り手術を成功させるためには、患者さん側の協力が不可欠。手術前日に入院し、病院側が患者さんを管理する通常の手術とは異なります。特に手術当日の、患者さんによる食事管理は必須となります。

 基本的に、その日の朝は水とお茶以外の摂取は厳禁。これは、手術中や術後の嘔吐反射を防ぐため。もし、「朝、コーヒーを飲んでしまいました」「ご飯はダメっていわれたから、あんぱんを食べてきました」なんていう場合は、その日の手術を取りやめることもあります。

 中には、朝うっかり食べてきてしまい、しかし私たちの問診では「食べていません」と答えて施術を受ける方もいますが、その場合は麻酔が覚めてから、嘔吐反応を起こし誤飲し、肺炎の心配があるからと、経過観察のために入院という本末転倒なことになるケースもあります。

 腹腔鏡手術の最大のメリットは、キズが小さいため痛みも少なく傷の治りが早いということ。しかし、メリットを最大限生かすも殺すも、患者さん次第。治療への理解、そして自分の手術に主体的に参加するという意識が、入院による手術以上に欠かせないのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」