6種類以上のクスリで「ポリファーマーシー」に陥る危険あり
もうひとつ例を挙げると、腰が痛いので鎮痛薬を使う→鎮痛薬の副作用で足がむくんでしまったため利尿薬を追加→利尿薬の副作用で血液中の大事な成分が少なくなってしまったのでそれを補うための薬を追加……といった具合に、クスリの副作用が連鎖して多剤が進んでいく場合もあります。この流れを「処方カスケード」といい、すでに副作用が出ているのでポリファーマシーにも該当します。これでは、なんのためにクスリを使っているかわからなくなってしまいます。
ポリファーマシーを防ぐにはいくつか対策がありますが、まずは「クスリを増やさないようにすること」が一番重要です。一方、クスリの中には、症状の改善とともにやめられるものもたくさんあります。痛み止め、かゆみ止め(アレルギー)、不眠のクスリなどがその代表的なものになります。自己判断でクスリをやめるのは絶対にダメですが、症状が改善したと感じたら医師や薬剤師と相談し、医師の指示の下でその症状に対して使っていたクスリをやめるというのはポリファーマシー対策になります。
疾患によってはどうしても多剤が必要となるものもあります。しかし、そういった疾患ではないのに、多剤、ポリファーマシーになっている高齢者が散見されます。いま一度、ご自身のクスリの内容、そしてなぜ使っているのかを確認してみてはいかがでしょうか。もちろん、やめられないクスリもあるでしょうが、ポリファーマシーに関する相談は、医師または薬剤師までお気軽にどうぞ。