著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

アメリカでも…国民の意に反した中絶禁止の裏に宗教の存在が

公開日: 更新日:

 アメリカ最高裁判断により、人工妊娠中絶が違法とされて1カ月が過ぎました。折しも日本では政治と宗教の関係が大きくクローズアップされています。そこで今改めて注目したいのは、アメリカ人から中絶の権利を奪い取ったのは、政治と強力に結びついた宗教だったという事実です。 

 アメリカ人の過半数は、中絶は合法であるべきと考えています。特に18~29歳の、これから子供を産み育てる年齢の若者たちは、75%が中絶を支持しているという数字も出ています。それにも関わらず違法とされてしまいました。

 そして何よりも国民に衝撃を与えたのは、女性の権利が50年前に後退した驚きと、権利を「失う」という、アメリカ人としては初めての体験の異常さです。

 この判断が下ったのはなぜかというと、トランプ元大統領により超保守化した最高裁では、保守的な意見の方が圧倒的に通りやすくなったからです。

 その背景にはキリスト教の存在があります。特にカトリック教徒とプロテスタント福音派は、教義に反するとして中絶禁止の立場を取っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に