アルツハイマー病という敵を知り迎え撃つために必要なもの
認知症の“超”早期発見、“超”早期対策につながる「アミロイドPET検査」も、「ゴール」ではなく「スタート」。アミロイドPET検査は、認知症で最多を占めるアルツハイマー病の原因物質アミロイドβの蓄積量を調べる検査です。
■検査で問題ない場合でもアミロイドβがたまりづらい生活を指導
アミロイドβがたまっていない・蓄積量が少ない場合と、たまっている場合とで、その後の対処は変わります。敵の本体を見極め、必要な作戦を立てるために、私のクリニックでは「健脳ドック」を行っています。
それは、アミロイドPET検査に加え、MRI、血液検査、認知機能検査などを行うもの。アミロイドβがたまっていなくても、「だから安心。このままでOK」とはしません。今後はわからないからです。アミロイドβがたまりづらい生活を指導し、生活習慣病がある方はその治療を開始します。
一方、蓄積量から将来的にアルツハイマー病を発症するリスクが高いと考えられる方には、危険因子を一つ一つチェックして除外し、認知症対策に良いと証明されていることを実行してもらう。場合によってはアルツハイマー病の新薬の臨床試験(最終段階)の参加も提案する。以前、この欄で紹介しましたね。