糖尿病の中高年はフレイルに気をつけろ “自己流”が災いを招く
糖尿病になると、フレイルが1.48倍、サルコペニアが1.25倍なりやすいといわれている。
「田中さんがサルコペニアであるかはわかりません。ただ、サルコペニアになると血糖値が悪くなるといわれています。つまり糖尿病でサルコペニアになり、それが血糖値を悪くし、さらにサルコペニアを進行させる。糖尿病の人がサルコペニアになるとそんな悪循環に陥ることが懸念されているのです」
田中さんは膝の痛みを周囲の筋肉が落ちたせいと考えて筋トレを始めたが、これも問題だという。
「高齢者は骨がもろくなるし、筋肉に炎症がおきたりすることも考えられるから運動が合わない人もいます。いまは65歳以上でも仕事をする人がいて、自分が若いつもりでいる人がいますが、体は確実に衰えていきます。若いころと同じ感覚で、少し頑張ればやせられる、筋肉がつく、体は元に戻ると思うのは間違いなのです」
そもそも、血糖コントロールをするのは糖尿病による合併症を防ぐため。高齢者は若い人と同じようになにがなんでも正常値を目指すべきではないという。