尿路結石を「便秘」と誤診された60代男性の悲劇…6時間半も苦悶

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 ところが、帰宅してすぐ強い痛みに襲われたAさんは、結局、内科・消化器が専門の別の病院を受診。この病院の男性医師はすぐに尿路結石を疑ったが、念のため公立病院の検査記録を取り寄せると共にCT検査を行った。すると、5ミリの石が腎臓からすぐの位置に確認され、「尿路結石」と診断された。

 Aさんは、この病院の医師から「便なんてたまっていませんよ。典型的な尿路結石ですね」と言われたという。健康に自信があったAさんは普段、保険証を持ち歩いておらず、診察費や薬代はすべていったん自費となり、公立病院の支払金額3万60円を含めて5万円近かった。

■食べてすぐ寝る人は注意

 公立総合病院の誤診と高額な支払いに怒り心頭のAさんだが、そもそもなぜ尿路結石になったのか? 腎臓病専門医で「松尾内科クリニック」(東京・桜新町)の松尾孝俊院長は尿路結石になる人にはいくつかの特徴があるという。

「日本人はシュウ酸カルシウム結石症が多く、以前はカルシウムが原因といわれていましたが、いまはホウレンソウをはじめ、コーヒー、紅茶、お茶などにも多く含まれるシュウ酸が原因とされています。これらを大量に摂取している人は注意が必要です。また、脂肪摂取の増加は尿中のシュウ酸を増加させ、タンパクや砂糖を含んだ炭水化物などの摂取は尿中カルシウムを増加させることがわかっています。ですから、食べてすぐ寝る習慣のある人も気をつけた方がいい。寝ている間は体も大きくは動かさず、水分も取らず、排尿もしないので、尿が濃縮しやすい。そのうえ、食事により結石をつくる物質が多く尿中に排出されるからです。とくに男性は40歳を過ぎると、膀胱の出口のところにある尿道を取り囲むように存在している前立腺が、徐々に肥大化して尿道を狭くして尿の排出量を減らし、結石ができやすくなることが知られています」

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