尿路結石を「便秘」と誤診された60代男性の悲劇…6時間半も苦悶

公開日: 更新日:

 Aさんはデスクワーク中心で体を動かすことが少ないうえ、肥満を気にして昼間はコーヒーで空腹を満たし、夕食は加齢による筋肉量低下を恐れて肉食中心だったという。

「Aさんは知らず知らずのうちに尿路結石リスクの高い生活習慣を続けていた、ということでしょう。とくに気になるのがコーヒーです。胃の中が空っぽな状態でブラックコーヒーを飲むと、コーヒーに含まれるシュウ酸が消化管から吸収され血液中に入り、腎臓で排出され尿路に入り、そこで尿中のカルシウムと結合してシュウ酸カルシウム結石ができます。これを避けるにはコーヒーは食後に飲むことです。コーヒーに含まれるシュウ酸は、先に胃の中に入った食べ物に含まれるカルシウムと結合してシュウ酸カルシウム結晶となるため、消化管に吸収されません。そのまま便として排出されるので尿路結石リスクは軽減します。また、コーヒーをブラックでなくミルクを入れると、カップの中でシュウ酸カルシウムがつくられるため消化管から吸収されることがなくなり、尿路結石リスクが低くなるのです」

 Aさんは帰京後、薬をもらうため自宅近くの泌尿器科クリニックを受診。そこで「尿路結石は5年以内に再発することが多い」と聞かされ、生活習慣の改善に取り組んでいるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し