ペットを飼うと認知症の予防になるのは本当?その理由とは
動物に愛情を注ぐ行為は、脳に神経伝達物質であるドーパミンを大量に分泌します。ドーパミンの作用により人間は多幸感を得たり、行動への意欲を高めます。またドーパミンによって脳は全身の筋肉に運動の命令を出します。
さらに、ペットの世話はある種のストレスがかかりますが、それも認知症予防になります。定年退職後に認知症の発症が多いのは、自分だけの時間軸で生活していることも関係しています。人間の体内時計は25時間で、生活習慣の乱れとともにどんどんズレていきます。「毎日が日曜日」になってしまえば昼夜逆転し、時間や曜日の感覚も鈍くなる。いわゆる「見当識障害」が起こります。犬を決まった時間に散歩させて、エサをあげる、このルーティンがあるだけで、認知症の進行は抑えられると考えられます。
犬は飼い主に従順に懐いてくれるのも大きなポイントでしょう。かわいがってくれる人間に対し、反論せずに尻尾を振ってくっついてきたり、愛情を見せてくれます。人間は承認欲求を欲していて、満たされるとドーパミンを放出しますから、その点でも、認知症予防にアニマルセラピーがある程度効果的といえるのです。