永田宏
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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「寒さ」が死亡数に与える影響…1月は6月の3~4割増し

公開日: 更新日:

 12月に入って、ようやく冬らしい寒さがやってきました。しかし寒さは健康に大きな影響を与えます。たとえば総死亡数です。過去数十年にわたって1月が最多で、6月が最少になっています。1月は年間を通じて最も寒い時季、6月は本格的な暑さの前の比較的過ごしやすい時季です。

 では実際に、寒さはどのくらいの影響をもたらすのでしょうか。そこで人口動態調査(厚生労働省)の数字を使って、1月の総死亡数を6月の総死亡数で割った比(1.6月比)を計算してみました。すると過去20年以上にわたって、1.3~1.4という値になっていました。毎年、1月に亡くなる人数が、6月と比べて3~4割も多いということです。

 多くの医師は、寒さによる血圧上昇を理由に挙げています。高血圧、心疾患、脳血管疾患などで亡くなる人は、冬場に大幅に増えます(1.6月比1.4~1.5)。ただし、血圧と必ずしも関係しない肝疾患や腎疾患などでも、まったく同様の傾向がみられます。また胃潰瘍や腸閉塞では、1.4~1.8という数字になっています。

 一方で、がん死亡には季節差がほとんどみられません(1.6月比1.1)。どうやら血圧上昇だけが原因ではなさそうですが、それ以上の詳しいことはよく分かっていません。

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