人口の4割が肥満症のアメリカ人が糖尿病薬「オゼンピック」に殺到した理由
糖尿病の薬オゼンピックに痩せる効果があることが知られるようになり、突然スポットライトが当たっています。背景にはアメリカの深刻な肥満問題があります。
オゼンピックはノボノルディスク社が販売している2型糖尿病治療薬の商品名で、セマグルチドが正式名称。週1回の注射でインシュリンの分泌を高め、代謝をよくすることができます。食欲を抑える働きもあるため、肥満症の薬としても認可されていますが、それほど知られていませんでした。
ところが「オゼンピックに痩せる効果がある!」というTikTokの投稿がバイラル化したために多くの人が殺到、品薄になり糖尿病患者が困惑しているというニュースまで出ました。
その背景には、年々悪化するアメリカの肥満事情があります。
現在人口の7割以上が「太り過ぎ」のカテゴリーに入りますが、中でもボディマス30以上の肥満症が4割もいるのです。その数は2000年には3割だったのが、10年間で激増したこともわかっています。
心臓疾患や糖尿病などあらゆる成人病の原因としても深刻視される肥満症を、どう解決するのか?