著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「五十肩」は糖尿病を疑え 骨や筋肉の老化といわれるが…

公開日: 更新日:

 肩が急に上がらなくなって痛みを感じる、いわゆる「五十肩」は、主に50代から60代で多いためにその名前がありますが、40代より前の若い年齢でも起こることがあります。正確な病名は「肩関節周囲炎」と言って、肩関節の周辺に炎症が起こるのです。その原因は骨や筋などの老化だと説明されていますが、実際には不明な点も多いのです。

 五十肩は甲状腺機能低下症や動脈硬化性疾患とも関連があるという指摘があります。そして、最も関連が深いと考えられているのが糖尿病です。糖尿病には多くの合併症があります。その中であまり知られていないのが筋肉系の合併症です。こむら返りのような筋肉のけいれんや、筋力の低下、炎症などが知られていて、五十肩との関連も指摘されています。

 今年のイギリスの医学専門誌に掲載された論文によると、これまでの症例対照研究という種類の6つの研究をまとめて解析した結果として、糖尿病では五十肩になるリスクが、ない場合と比較して3.69倍増加していました。その他の、より精度の高い研究結果でも、そこまでではないものの30%以上の増加が認められました。

 原因はまだ不明ですが、糖尿病があると五十肩が起こりやすいことは間違いがないようです。五十肩は老化のせい、と決めつけないで、糖尿病の可能性もチェックした方がよさそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ