飲酒は「腎臓」にも大きなダメージを与える…缶ビール1日3本以上は危ない
「お酒と腎臓がどのように関係しているか現時点でははっきり解明されていませんが、血圧との関係が考えられます。腎臓病患者が最も気を付けたいのが高血圧と高血糖です。お酒を飲むと血圧が上昇するので腎臓に負担がかかり、腎機能を低下させるのではと考えられます」
■1日20グラムのアルコールならプラス
一方で、適量であれば腎機能低下を予防する可能性があると、今回の研究で改めて確認された。1日純アルコール20グラムの飲酒は、腎機能低下予防のほか心筋梗塞や脳梗塞の発症も抑制するという。
「適度にアルコールを飲むと、動脈硬化を防ぐ役割を担う善玉(HDL)コレステロール値が上がり、体内の血液はサラサラになる傾向があります。心筋梗塞や脳梗塞は血液が固まると発症するので、この善玉コレステロールが発症予防に働いている」
腎機能は、糸球体濾過量(GFR)の検査値で判断される。GFRとは、フィルターの役割を担う糸球体が、1分間にどのくらいの血液を濾過して尿を作るかを表した数値のこと。出生時の腎機能を100%として60%に達すると、腎機能が低下していると推定される。腎機能が15%まで低下すると人工透析治療が検討されるという。特に高齢者の場合、1年で平均1%ずつ自然に低下するのでお酒を飲む習慣が日頃からある人は気を付けたい。