森維久郎
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森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

「慢性腎臓病=腎がん」ではないが透析になると発症率15倍

公開日: 更新日:

「慢性腎臓病(CKD)になったら、腎がんになるんですよね」と患者さんから相談されたことがありますが、慢性腎臓病になったら腎がんになるわけではありません。

 ただ、慢性腎臓病のステージが進み、透析になった場合は腎がんの発症率は上がるというデータはあります。透析患者さんは、そうでない人と比べると腎がん発症率が15倍ともいわれており、透析期間が長くなるほど発症率が上がるというデータもあります。

 なぜ、透析患者さんの腎がん発症率は上がるのか──。その理由は、まだはっきりとわかっていません。いずれにしろ、発症率が上がることがわかっているのですから、早期発見につながる手を打つべきです。

 初期の腎がんはほぼ無症状なので、自覚症状に頼っていると発見が遅れる可能性があります。そこで透析患者さんは、1~2年に1度の腎臓の超音波検査を受けることが推奨されています。また、男性の方が女性よりも腎がん発症率が高いため、要注意です。

 慢性腎臓病=腎がんではない。ですが、慢性腎臓病も決して軽い病気ではありません。慢性腎臓病は特効薬がない病気。診断されたなら、生活習慣を改めるなどして、腎機能が現状より低下しないよう守っていくための治療を始めます。

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