腎臓<下>腎臓を守るために必要な運動強度とメニュー 筑波大医学部教授が解説

公開日: 更新日:

 生活習慣病などによって、いったん下がった腎機能は、残念ながら元には戻らない。しかし、放置すれば、腎機能はどんどん低下する。それを食い止めるためには、食生活の改善と適度な運動習慣が大切になる。以前は、運動は腎臓に負担をかけるとされ、腎臓病の人には積極的に勧められていなかった。しかし現在は、適度な運動が腎臓のろ過機能を向上させたり、タンパク尿(慢性腎臓病の診断項目のひとつ)を改善させたりする効果が注目されている。

 では、腎臓を守る適度な運動とは、どんな運動になるのか。筑波大学医学医療系・腎臓内科学の山縣邦弘教授が言う。

「これまで運動習慣がない人が突然、きつい運動を始めても長続きしません。また慢性腎臓病があると、脳卒中心筋梗塞を発症するケースが多いことが知られ、まずは血圧の管理、血糖や脂質異常症の管理が適切に行われていることが大前提です。その上で適度な運動をコツコツ継続することで、少しずつ腎機能を悪化させる危険因子を運動によって改善させ、効果が表れてくるのです。そのためには『楽なこと』から始めてみましょう。たとえば、駅や会社ではエスカレーターやエレベーターを使わず、階段を使うようにする。昼食を買いにいくときも、少し遠くのコンビニまで足を延ばすなど。そして、体を動かすことに慣れてきたら、『ややきつい』ところまでレベルを上げていけばいいのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」