偏頭痛や群発頭痛に悩んでいるなら帯状疱疹ワクチンの検討を
片頭痛と群発頭痛に悩まされているという患者さんにも、このワクチンの接種を一度検討してみてほしいと話しています。
なぜならば、前回お話ししたように帯状疱疹ウイルスは片頭痛や群発頭痛の重症化リスクや発症率を上昇させることが、近年の研究でわかってきているからです。
たとえば群発頭痛の発作が起こったときに帯状疱疹の治療で用いる抗ウイルス薬を5日間投与すると、群発頭痛が軽減。発作期間も短くなることが報告されています。発症時に帯状疱疹ウイルスが体内で活性化しているということですね。
さらに帯状疱疹ウイルスは、顔面神経麻痺や片側眼瞼けいれんなど頭痛以外の病気のリスクも上げます。
今年6月、これまで50歳以上が接種対象だった帯状疱疹ワクチンが、「帯状疱疹にかかるリスクが高いと考えられる18歳以上」という適応項目が追加承認されました。現在、若年で帯状疱疹を発症する人が増えているからです。
帯状疱疹は加齢が発症要因のひとつ。そのため、50歳を超えると患者数が急激に増えます。