「聞こえ」の悪さは、孤立・うつ病・認知症のリスクを高める
子どもたちが聞こえると言っている「20代」の音が、私には聞こえない──。2年前、こんなツイッター(現X)への投稿がきっかけで、一気に注目が集まったのが、「聞こえ」をチェックするパナソニックのウェブサイトです。
だれしも加齢によって聴力が落ちます。そして加齢による聴力の低下は高音域から始まります。パナソニックのウェブサイトでは、1万9000ヘルツから1000ヘルツまでの10段階の高さの音がそれぞれボタンをクリックすると聞こえるようになっていて、最も高音域の1万9000ヘルツは「20代」、1万7000ヘルツは「30代」と、“耳年齢”の目安が記載されています。
「焦りました」と言うのは、49歳の女性。55歳のご主人と一緒に「20代」から順番にボタンを押していった。2人とも、20代、30代、40代と音はまったく聞こえず、「最初は、パソコンのスピーカー機能がオフになっていると思った」。ようやく「ピーピーピーピー」というモスキート音が聞こえてきたのは、「50代」のボタンを押した時。
この女性は、年が若い知人2人にも試してもらったそうです。
すると26歳の会社員は「20代」からしっかりと聞こえたのですが、音楽を聴くのが趣味という25歳の知人は「20代」はまったく聞こえず、耳の年代は「30代」という結果。「イヤホンで音楽をしょっちゅう聴いているし、仕事はオンラインが中心でやはりイヤホンをつけていることが多い。聴力が落ちているのだろうか」とショックを受けていたとか。
耳年齢を測定するサイトはパナソニック以外でもありますし、耳年齢チェックのゲームも登場しています。いずれも病院で行われている聴力テストとは異なるものであり、詳細な聴力検査は耳鼻咽喉科の受診が必要ですが、自分の聴力がどれほどなのかを確認する入り口として、利用する手はあると思います。