人生初の海外学会だったボリビアでただただ白い湖に案内された
タクシーに知らない男たちが…
リオに着いて、乗り換えとなった時は夜中でした。人がほとんどいない暗い空港の待合室で不安に過ごしました。それでも、学会場のあるボリビアのサンタクルスには、無事、予定通り翌日のお昼に着きました。空港で全身のボディーチェックを受けましたが、スペイン語では何を言われても分かりません。案内表示板も読めませんでしたが、英語の話せる女性をやっと見つけてタクシー乗り場を教えてもらいました。
タクシーは、ホテルの名前を言ったら乗せてくれました。発車と同時に2人の知らない男性が飛び乗ってきて驚きましたが、彼らは途中で降りていきました。ホテルの入り口には銃を持った兵隊が立っていました。チェックインして部屋に入って、やっとホッと落ち着きました。
夜6時ごろ、大学の講堂に案内され、学会の開会式が行われました。壇上にはたくさんの旗があります。偉い方々のご挨拶の内容は分かりませんでしたが、民族衣装の踊りを見せていただきました。その後、ホテルに移動しての歓迎パーティーで、9時過ぎに夕食だったと記憶しています。
翌日、朝食を済ませると、迎えの車が来ました。どこに連れていってくれるのか分かりません。その車の助手席には犬が乗っていました。運転手は言葉が通じないのですが、犬のことを「ペロ」と呼んでいたのが分かり、その犬と仲良くなりました。
けっこう長い時間がかかったと思いましたが、着いた所は白い砂浜、白い湖でした。広大で湖の向こうは見えません。ただただ一面が白いのです。どうしてこんなに白いのか、なにも分からないまま「地球の裏側にはこのような所もあるのだ」と思いました。ホテルに戻ってから旅行案内書を見て、あれはきっとウユニ塩湖であろうと推察しました。
さて、私の講演です。スライドを使いながらゆっくり話したのですが、内容をどれだけ理解いただけたか不安でした。発表後は質問もなく、無事に終わりました。司会者からは笑顔で感謝状をいただきました。
滞在中、学会の幹部の方の自宅での食事会、牧場見学など、とても親切に歓待していただきました。○○先生は「長い間、まじめにがんばってきたのだから、これは天からのご褒美だね」と言ってくれました。
いまも懐かしく思い出されます。