新たな理論による「血流解析」は心臓治療を進歩させる可能性がある
これは、若年の心臓病の治療後のフォローにおいても同様です。たとえば、生まれつき大動脈二尖弁で通常よりも大動脈が太くなっている場合、若くてもその部分を人工血管に取り換える治療が必要です。先ほども触れたように劣化する人工物はいずれ再治療により交換しなければなりませんが、血流解析によってそのベストなタイミングを判断できます。
かつて、治療後の血流は心臓の外側の状態と血圧などの生体データから経験的に判断していました。近年は心臓エコーや心臓MRIといった診断機器の進歩により、心臓内の血流を画像で確認することが可能になりました。しかし、心筋の壁に対して流れがどういう分布になっているか、どこで乱流が起こっているのかといった詳細まではわかりません。
新しい理論を用いたソフトは、その血流の詳細を目で見て判断しようというものです。さらなる研究と臨床データの集積が進み、より有効に活用されることを期待しています。
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