料理も掃除も洗濯もしてもらえて生活は楽になったけど…
今年50歳になる女性は関西出身。大学生の時、阪神・淡路大震災を経験しました。
震災後すぐに神戸に行き、1人暮らしの高齢者のお宅に必要な物資を運ぶボランティアグループに所属。そのグループが縮小した後も、高齢者を訪問し、話し相手をする活動を続けていたそうです。
その中で気が合い、とても親しくなったのが、当時78歳だったK子さん。震災のずいぶん前にダンナさんを亡くしており、子供もいませんでしたが、明るい性格でお友達がたくさんいました。洗濯物を干しっぱなしにしていたら、具合が悪くて寝ているんじゃないかと、近所の人が心配してのぞいてくれるほどです。
変形性股関節症を患い、歩く時は手押し車(高齢者用の乳母車のようなカート)を使いつつも、毎朝買い物に行き、夕方には銭湯、月1回は白髪染めとカットで美容院へ。女性はK子さんに料理を教えてもらい、温泉旅行も一緒に出かけたそうです。
「K子さん手製のいかなごのくぎ煮は絶品。旬の春になると、K子さんが作ってくれるんです。毎年楽しみでした」